イジワル先輩の甘い恋の魔法
早足で歩く私の後ろを黒崎先輩は自転車を押しながらついて来る。
「私は行きませんからね!行くなら1人でどうぞ?それから自転車でも酒呑んで乗ると飲酒運転になりますから気を付けて下さいね!」
私は立ち止まることなく歩きながらそう言った。
黒崎先輩はどこまでついて来るつもりなんだろうか。
徒歩10分で私のアパートに着いてしまう。
このまま家まで帰って大丈夫?
まさか黒崎先輩、家までつい来る気なんじゃ……。
ヤバイ、それだけは避けたい。
私は立ち止まった。
黒崎先輩も私の隣で立ち止まる。
「今日だけですからね!」
「うん。いいよ」
「うちまでついて来られたら困るから行くだけですから!勘違いしないで下さいね!」
「ストーカー扱いかよ」
黒崎先輩はそう言ってクスリと笑った。
黒崎先輩の行きつけだという駅前の居酒屋に行った。