イジワル先輩の甘い恋の魔法



事務室の明かりは、まだ点いていて職員さんが残ってるのがわかった。


入りにくいなぁ……。


でもタイムシートにサインしてもらわないと。


私はドアの前で深呼吸をして事務室に入った。


みんながチラリと一斉に見ただけで何も言わなかった。


自分の机を片付けて、事務室を出てロッカールームに行く。


カバンからタイムシートを出して書いて事務室に戻った。



「あ、あの、宮崎さん?これ、お願いします」



タイムシートを出すと、チラリと見たあと引ったくるようにタイムシートを取りサインして無言で返された。



「お先に失礼します」



挨拶をしたけど、誰も返事をしてくれなかった。


泣きそうになる気持ちをグッと堪えて、事務室をあとにした。




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