イジワル先輩の甘い恋の魔法
辺りはすっかり暗闇に包まれていた。
校門を出ると、学校の外壁に寄せて停まっている1台の車が目に入った。
綺麗な濃いブルーのスポーツカー。
暗闇でも車内の明るさで、運転席に誰が乗っているのかわかった。
黒崎先輩だ。
本当に車で来てたんだ。
黒崎先輩は私に気付くと手招きをした。
このまま無視して帰ったら、あとで何を言われるか。
私は黒崎先輩の手招きに従って車に近付いた。
運転席の窓が開く。
「乗れよ」
私は素直に助手席のドアを開けて車に乗り込んだ。