イジワル先輩の甘い恋の魔法
「なぁ、高原?」
「何ですか?」
私は病室にあった丸椅子に座っていた。
「本当は今すぐ辞めさせたいけど、やっぱり今日に明日に辞めますはマズイだろ?」
「そうですね」
「今年いっぱいは頑張れるか?」
私はコクンと頷いた。
「時間が早く感じるように俺がいっぱい仕事出してやるよ」
「ホッチキス留めですか?」
私はそう言ってクスッと笑った。
「ホッチキス留め以外にも、たーっぷり出してやるよ。覚悟しとけよ」
黒崎先輩はそう言って、私の頭をツンと突いた。
「とりあえず明日は学校が休みだから……」
「えっ?」
明日、休みだったの?
「もしかして何も聞いてねぇの?明日は昨日の文化祭の代休だよ」
「そうだったんですね」
黒崎先輩に聞いて良かった。
もし聞かなかったら、明日、仕事に行くとこだったよ。