イジワル先輩の甘い恋の魔法




「なぁ、高原?」


「何ですか?」



私は病室にあった丸椅子に座っていた。



「本当は今すぐ辞めさせたいけど、やっぱり今日に明日に辞めますはマズイだろ?」


「そうですね」


「今年いっぱいは頑張れるか?」



私はコクンと頷いた。



「時間が早く感じるように俺がいっぱい仕事出してやるよ」


「ホッチキス留めですか?」



私はそう言ってクスッと笑った。



「ホッチキス留め以外にも、たーっぷり出してやるよ。覚悟しとけよ」



黒崎先輩はそう言って、私の頭をツンと突いた。



「とりあえず明日は学校が休みだから……」


「えっ?」



明日、休みだったの?



「もしかして何も聞いてねぇの?明日は昨日の文化祭の代休だよ」


「そうだったんですね」



黒崎先輩に聞いて良かった。


もし聞かなかったら、明日、仕事に行くとこだったよ。




< 91 / 115 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop