彼女志願!

しばらくそうやって抱きしめられたまま

静かに時間が過ぎていく。


いつの間にか涙は止まっていた。


さすがに涙も枯れてしまったのかもしれない。







「――はなして……」



穂積さんの胸を押し返す。


そして、投げたクッションを引き寄せて、腕に抱いた。



「穂積さん、私、おととい、穂積さんの携帯に電話しました……」



私の言葉に、穂積さんは眼鏡の奥の瞳を微かに見開く。





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