彼女志願!
雨上がりの、乾き始めた石畳や
街路樹の土のにおい
ネズミ色から明るい水色へと変化していく空
心が弾むと
足取りだって軽い。
いつもと変わらないはずの景色ですら、奇跡のような美しさだと胸が熱くなった。
久しぶりに訪れた編集部は、相変わらず忙しそう。
八階フロアに置いてある電話機で穂積さんを呼び出すと、
「――凛先生」
恐ろしく真面目な顔をした穂積さんが迎えに来てくれて。
そのまま編集部の打ち合わせ室に通される。