彼女志願!
「穂積さん……会いたかった」
「ええ。俺も会いたかったから、来たんです」
彼の声、表情。
何一つ聞き逃したくない、見逃したくない。
私の乾いた心に栄養をくれる、穂積さんという存在。
「――なにか、俺に対して怒っていましたか?」
「怒ってましたけど、もういいんです」
「いいんですか?」
穂積さんは、ふっと表情を硬くする。
「凛先生……僕は先生の担当なのに、先生の書きたい物語を書く機会を作れなかった」
真摯に私を見つめる穂積さんの漆黒の瞳。