彼女志願!
「ちなみにどうしてふてくされているんです?」
私の顔色を窺う穂積さんは、そんな空気も楽しんでいる感じ。
「――私、穂積さんにこれからさきずーっと、心の中身を丸裸にされて生きていくのかなぁって……複雑な気持ちになっていました」
「後悔してる?」
「いいえ……私はこれしかないから。書くことはやめられないから……それに、穂積さんが編集者だから、出会えたんですし」
体を起こし、穂積さんの首の後ろに腕を回しつつ膝の上に座ると、穂積さんはクスッと笑って、私の唇の表面をちゅっと吸った。
そう。
たとえふと我に返ってふてくされたふりをしてみても、これは恋のスパイス。
拗ねたそぶりで、甘やかしてもらいたいだけ。
「萌。だけどね、俺もあなた一人だけに、丸裸の自分を見せているんですよ」