彼女志願!

だって、穂積さんの声からは、もっとせっぱつまった何かを感じたから。


私のささやかな胸にしがみつくように抱きついている、穂積さんの頭をそっと撫でる。


そんなことしかできなかった。



「――だから、嫌な予感がして、萌の実家に行って……ボロボロよれよれの萌を見たとき、本当に……頭が真っ白になりました」



普段の穂積さんからはめったに感じられない弱気に、胸を針で突かれたような切ない気持ちになる。


いつも守られていてばかりの私だけれど

私が彼の心を守らなければと、思わずにはいられない。



だからって、私に何が出来るのかって感じだけれど。



そう、たとえば、彼の側にいたマルゴ
(もしかして可愛がりすぎて弱らせたという例の子犬だろうか)

のように、彼に安心と癒しを与えられたらいいな……。







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