彼女志願!
「お母さんこそ、ごめんなさい」
顔をあげると、お母さんも背中を丸めて頭を下げていた。
「口うるさく言ったところで、ますます萌の足が遠のくだけだって、頭ではわかってるんだけど、「帰らない」って言われるたび、萌が自分の手を離れていくのが寂しくてたまらなくて……怖くて。
どうにかしてそばに置いておきたくて。萌の気持ちなんか全然考えずに、否定ばっかりして、縛りつけようとしたわ。
だけど本気で萌のことを恥ずかしいって思ってるんじゃないの……それだけは信じて欲しい」
そしてお母さんは、隣でまた鬼瓦と化した父の腕をヒジで押す。
「ほら、お父さんも」
「――叩いたりして、悪かった。すまん」
鬼瓦が謝った!!!!
初めて見る光景に目が点になる。