彼女志願!
いつも私だけドキドキしてるような気がしてるけど、本当はそうじゃないのよね。
穂積さんも私にドキドキと胸を高鳴らせてくれてる。
そのことを思うと、幸せな気持ちで胸が苦しくなるんだ。
「――あの」
「ん?」
穂積さんの手が、ゆっくりとカットソーの中に入ってきた。
優しい手。
あんまりにも優しいから、胸の形を確かめるように触れるだけの指先でも、体が震える。
「少し、大きくなりましたね」
そんな私を見て、穂積さんが少しかすれた声でささやく。
「意地悪……」
「どっちが……? 俺の思い通りにならないのはあなたくらいだ」
そして私たちは、ハダカになって、ゆっくりと抱き合い、一つになる。
彼の望み通りの形で。