彼女志願!
――――……



「実は、正月からつい最近まで、4回実家に帰っています」



穂積さんがそう告白したのは、次の日の朝、二人で朝食を食べ終わったあとのお茶の時間だった。



「言うつもりはなかったんですが……」



ソファーに腰を下ろし、穂積さんは私の手を握り隣に座らせる。



今年のお正月。

穂積さんは例年通り正月の二日間だけ実家に帰省した。


彼が東京に戻ってきてから、どういう風に私のことを話したのかと尋ねると


「結婚を前提にお付き合いしている女性がいる」


いよいよ玄関で靴を履くギリギリで、そうご家族に宣言して帰ってきたと聞いたんだ。



「私のこと反対されてるんですか……? だから、黙ってたの……?」




< 441 / 648 >

この作品をシェア

pagetop