彼女志願!
だから、悩んでいたの……?
私という存在が穂積さんを悩ませていたかと思うと、胸がぎゅうっと苦しくなる。
世界で一番大事にしたい人が
自分のせいで悩んでいたとしたら――
これほどもどかしく、辛いことはない。
目の奥が熱を持ち、唇が震えた。
「――萌、それは違います」
穂積さんは切れ長の目を細め、首を横に振る。
そしてマイナスの感情をどんどん膨れさせつつある私を見て、たしなめるように微笑んだ。