彼女志願!
「――萌」
穂積さんは首を傾げる私を恐ろしくまじめな表情で見つめる。
「うっ……嘘じゃありませんっ! この耳で聞いたんです、ユズさんじゃない、誰かの足音!」
「――」
「寝ぼけてません、古い木の廊下をギシギシと近づいてくる足音だったし、『ユズさん?』って呼びかけたら、止まったんです!」
そうそう。
おまけに、さらに呼びかけたら、その足音遠くなったんだよ。
「絶対におばけです!」
「――はぁ」
力説する私に、穂積さんはため息をつく。