彼女志願!
穂積さんと一緒に長い畳敷きの廊下を歩き、これまた立派な松の絵が描かれた、襖の前に立つ。
穂積さんがその襖に手をかけた瞬間、
「真一!」
と、おじさんの声がした。
振り返ると、グレーのスーツ姿のおじさんが、駆け足で近づいてくるのが見えた。
「ああ……伯父さん」
「お前、どこに行ってたんだ!? 散々探し回ったんだぞ!」
年の頃は、六十代前後。
ずんぐりむっくりしてはいるけれど、エネルギッシュなおじさんだ。