彼女志願!

「ユズの母は、妊娠が分かったと同時にこの島から逃げ出した。祖母は祖父亡き後、ユズの存在を知り、執念でユズを探し出し、この島に引き戻した」

「――」

「祖母はユズと、ユズの母を憎んでいました。それはそれは、恐ろしいくらいに、憎んでいました」



たんたんと、昔話でもするように言葉を続ける穂積さん。



「ユズさんは……あの島でいったい何をさせられてたんです?」

「――」



そこで穂積さんは、ゆっくりと視線を私に向けた。



「淫売の子は淫売だと……」

「――!!」



頭から冷たい水を浴びせられたように、ショックを受ける私。




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