彼女志願!
それから穂積さんはかなり機嫌がよくなって、うつぶせになったままの私の体を横に向かせ、後ろから抱き寄せる。
重なったスプーンの形だ。
穂積さんの意外にたくましい腕に枕をしてもらって、折り返した手でそのまま髪を撫でられると、包み込まれている安心感があった。
「――こうされるの、好きです」
「萌の好きなことはなんだってしてあげますよ」
「だけど嫌がることもするじゃないですか……」
恥ずかしいこととか……
恥ずかしいこととか……!
「そんなはずはありません。僕は萌と違います」
いたずらっぽくささやかれて、なんだかひっかかる。
「私がいつ、穂積さんの嫌がることしました?」
そんなはずないです!
という抗議を込めて、肩越しに振り返ると、穂積さんは薄く笑ってそれには答えてくれなかった。