彼女志願!
「どうぞ」
「ありがとうございます」
おそろしく長い足をぞんざいに組んだ穂積さんは、カップにその涼しげな顔を寄せる。
洗いざらしらしい黒髪が、額の上でさらさらと揺れていた。
くうっ……カッコいい!!!!
彼女でよかった……!!!!!
(いまいち彼女の実感はないけど)
ゆるむ頬を必死で引き締めながら、ニヤニヤしていると、
「――凛先生」
穂積さんが低い声で私を呼ぶ。
「はい?」
「――昨日、松田に何か言われてませんでしたか?」
前髪の奥、漆黒の瞳が淡く輝いているのが見える。
「松田さん……ああ」
営業の軽い男子の松田さんのことよね。
穂積さんにうっとりしたまま、うなずいた。