彼女志願!
穂積さんは、近くのコインパーキングに車を停めていた。
「どうぞ」
助手席のドアを開ける穂積さん。
もちろんこんなエスコートなんて生まれて初めて。
「ありがとうございます」
心のノートにこのワクワク感を書き込み、車に乗り込むと、運転席に穂積さんも乗り込んできた。
「どこに行くんですか?」
「少し遠くです。凛先生もきっとお好きだと思いますよ」
担当と作家としてつきあって早四年。
私の好きなものや、心の内側を、丸裸にしたものを読まれてるんだから、穂積さんの私への趣味趣向の理解は深いと思う。
(残念ながら、逆はまだまだって感じだけど……)
それに、もし万が一たとえ私が好きな場所じゃなくたって、穂積さんが連れていってくれるのなら、好きになれる自信がある。
穂積さんが私を連れていこうと考えてくれた、それがなによりも嬉しい。