■□ムーンライトエクスプレス□■
これなんてエロゲ?な展開に思考が停止する。
 
「だから私があなたの彼女になってあげるって言ってるのよ! ようするに淋しいから隕石落ちろ、なんて願ったんでしょ?……だから私があなたと一緒に居てあげる」
 
……マジですか。
マジですかッッ!
 
 若干頬を赤らめ視線をそらしながらそんなことを宣う美少女――否、美幼女。
サンタさんありがとう! 俺はどこかで必死に隕石を止めている漢に向けて心の中でそう叫んだ。ぐっじょぶ!
 
「か、勘違いしないでよねッ!べべべ別に実は一目惚れしてたとかじゃなくて……ッ、そ、そう! プレゼント! 十歳の時のプレゼントの代わりなんだからッ!」
 
もうこいつ可愛いすぎ。俺は足の痺れも無視して目の前の使い魔を抱き寄せる。「あっ」と漏れる甘い声。
 
「大事にする」
 
「…………当然でしょ。バカ……」
 
 見つめ合う二人。今日から俺の使い魔にジョブチェンジした美幼女がうるんだ瞳で俺をみつめ瞼をそっと閉じる。
俺はみずみずしい彼女の唇を味わうべく、目を閉じゆっくり顔を近づけ――
 
 
 
  
 
 
 
 
 そこで目が覚めた。うるさいアラームを手探りで黙らせると既に昼の十二時。日付は十二月二十五日。
 
 うん、俺絶好調。夢オチ決めるにはもってこいの日付だ。……別に悲しくなんかないんだからッ!
 
テレビをつけて、軽く背を伸ばしストレッチ。そしてカーテンを開け今日も良い天気だな――っておい。
 
 目の前に広がるのは赤々と燃え盛るドでかい岩。完全に隕石。まごうごとなきかんぺきないんせきです。
テレビでは『10、9、8……』とよくわからないカウントダウンが始まっている。
 
――えらいこっちゃ。
当然そこにはチェ・ホンマンも隕石をくいとめる赤いオッサンもいない。
 
 もうね、笑うしかない。
 
 サンタさん、やっぱあんた凄いわ。と思いつつ僕はあの使い魔に向けて大嫌いな言葉を放つ。精一杯の皮肉と、微かに痛む心の分だけ愛を込めて。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「メリークリスマス」
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