ふたつ星
「何で?」
ソファーの背もたれから起き上がり、私の方に向き直る翔さん。
俯いていても真っ直ぐに見つめられているのがわかる。
何で今だけ……。
「最近、私を見てくれないです……」
「そんなことない」
顔を上げ、諭すように言う翔さんの瞳を見つめる。
「そんなことあります!私、いつも翔さんの事を見てるんです」
声が震える。
「だから、わかります。嫌いなら嫌いってはっきり言って下さい……」
泣きじゃくりながら一気に告げると、ソファーの上で体を小さくした。
「もう辛いんです……翔さんのことが、好きだから……」
小さく震えた声がリビングに響いた。