アタシの人生に華が咲く
その後すぐ高校に退学届けを出して、宣言通りこの“佐久間屋”をひとりで継ぎ、
十数年がたった現在まで、難なくやっている。
最初こそ、営業するにあたっての基礎を作るのに大変だったけれど、
今となっては毎日マイペースに自分流で店をやっていけてるわけだ。
典型的な商人気質でない私は、愛想をふりまくでもなく、自分のあるがままを出しているため、
商店街の人達からは“覇気がない”だの“若いのにあかぬけてない”なんて言われ放題だ。
でもそれが私だし。
別に無愛想なわけでもないのだから、私はこれでいいと思っている。
でもね、商店街のおばちゃんたちはそんなことを言いながらも、私を娘のように、何かとよくしてくれるし、
じいちゃん達の代からの常連さんも毎日来てくれるし、ご近所さんとの関係は良好。
この小さな商店街は、みんな家族のようなものなのだ。