TATTOOー愛情ー
その日は車を修理に出していたので家まで歩いて帰ることになった。


仕事帰りにネイトがカフェで飲み物を買ってあたしに手渡してくれた。


季節は3月で昼間はまだまだ暑かったけど、温度差が激しく夜は冷える。


カップに触れた指先から温もりが伝わってくる。


一口飲んでそれが何かすぐに分かった。


フラットホワイトだ。


オークランド空港であたしがデイバックを盗られて、それを探してくれたネイトにお礼として買った飲み物。


5年前のあの時と同じようにミルクのふんわりとした甘さが口に広がる。


「もうすぐ出会って5年になるね」


とネイトが言った。


そう、ネイトがあたしを助けてくれた日からもう5年が経とうとしていた。


あの日から想像も出来ない様々な出来事があった。


5年前のあの日にあたしの運命も変わったんだと思う。
< 198 / 200 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop