私と彼の一週間

彼の温もり

「・・・・できたっ・・・・・」


ご飯は意外と、上手く炊けた。
炊いたのは、炊飯器だけど・・・・・・。
卵は、颯人の要望に応えて目玉焼きに。
形が崩れないように、お皿にきれいに盛り付けられた。
味は、何も加えたりしてないからまずくはないはず。
焦げないようにと気を付けてやってたら、中身は半熟になったけど・・・・・・。



「颯人ーっ!できたよ!」


リビングに行くと、颯人はいなかった。


トイレ・・・・?


そう思い、洗面所の方に。
でも、洗面所にも脱衣所にもトイレにも・・・・・いなかった


・・・・・まさか・・・・部屋?


部屋のドアを開けて、中を見回すと颯人がベッドで寝ころんでいた。


「颯人っ。ここには入るなって言ったで・・・・・」



・・・・・颯人は、スヤスヤと眠っていた。



「颯人・・・・?」


傍に近寄り、そっとベッドに座る。
私が近づいても、熟睡してりようでまったく起きない。



「・・・・・ラップしとこ」



無理に起こす必要もない。
電子レンジで温めれば、また温かいのが食べられるし


・・・・それにしても、颯人の寝顔綺麗・・・・・。

男に対して、“綺麗”っていう表現はどうかと思うけど・・・・・。
この顔を言葉で言い表すなら、“綺麗”が一番似合う。



「んっ・・・・」



寝返りを打つ颯人。

・・・・これだけ熟睡するって何時に起きたの・・・・


部屋から出て行こうとしたとき。
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