私と彼の一週間
そう言って、そっと私の頭をなでる。
・・・・落ち着いてると、颯人の体温を感じる。

さっきまでは全然そんなの感じなかったのに・・・・・。
とても、温かい。


「・・・・颯人・・・・」


「・・・ん・・・・・」


・・・・・・寝ちゃった・・・・・・。

でも、こうしてると不思議と落ち着く。
恋人でも、夫でもない異性に抱しめられて、落ち着くのはどうかと思う。
ただ、契約の期間の間、一緒に暮らしてるだけの男。
私は、気付けば颯人の腕の中で眠りに落ちた。



「・・・ちゃん・・・・鈴ちゃん」


「ん・・・・・・・?」



声をかけられて、目が覚める。



「・・・・・颯・・・・人・・・」



目の前には、ニコニコと笑顔の颯人。
でも、その表情が薄く見えるだけではっきりとは見えない。
部屋は真っ暗だった。

あぁ・・・・・寝ちゃったんだっけ・・・・
だから、はっきり見えないんだ・・・・・・・・・・



「ねぇ、鈴ちゃん
お腹すいた~」


「んー・・・・・・・・・・コンビニ行って・・・・・」



久しぶりによく寝た・・・・・
最近、残業続きで帰り遅かったし・・・・・・・・

疲れが溜まっていたのか、寝たらスッキリした。



「目玉焼きは?」


「んー・・・・・」



まだ起きたばかりで、うまく頭がまわらない。


目玉焼き・・・・・・・・あぁー・・・・・・・・朝作ったやつ・・・・・



「冷蔵庫にラップしてある・・・・」


「冷蔵庫にラップはできないよ」

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