ホストーカー 【完】



「ダメ、行かせない。」


「物置…に…アイツ…が」


くるっと体の向きを麗羅の方に向かされて、顔をぎゅーっと強く胸板に押し付けられた。


初めこそ暴れていた私だが、麗羅の心臓の鼓動を聞いているうちに我を取り戻し始めた。



「落ち着いた?」



私の耳元でゆっくりと優しい声で話す、麗羅。


表情は見えないけれど、きっと麗羅は優しく微笑みかけてくれてるんだ。



「う…ん…、あのね麗羅。」


「ん?」


「私ね…、この家が怖いの…何もかもが昔の家とそっくりで、…昔の事思い出しちゃうんだ…。」


「そっか、ごめんね美麗ちゃん。辛い思いさせちゃって。ごめんね。」


「ううん、私こそごめんなさい…ごめんなさい…。」

「美麗ちゃん、謝らないで。」


「ごめんなさい…ごめんなさい…」



麗羅に止められても、私は謝り続けた。


でも、謝っているうちに疲れがどっと出て、



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