この恋が叶わなくても
そして予定通り、待ち合わせ時間の5分前に約束のバス停の前にあるベンチについた。
ベンチには誰も座っていなかった上に、バス停の周りにはあたし以外誰もいなかった。
ただ時々車が通りすぎるだけだった。
それでも、大翔はよく待ち合わせ時間ぎりぎりに現れるから、通りすぎる車の数を数えながら大翔のことを待っていた。
待ち合わせ時間が近づくにつれ、あたしは幾度も携帯をカバンから取り出して時間を確認した。
通りすぎる車の数を数えるのに飽きたころだったから、次は携帯の時計とにらめっこする事にした。