この恋が叶わなくても


携帯の時計は、1分、また1分と進んでいく。

そしてついに待ち合わせ時間になった。

待ち合わせ時間ぎりぎりによく現れる大翔だけど、遅刻は一度もしたことがなかったから少し心配になった。



準備に時間がかかったのかもしれない。

放課後に用事があったのかもしれない。

きっと何かあったんだ。


もう少し待てば、絶対に大翔は焦って走りながら「ごめん、本当にごめん」とか言いながら現れるから。



…そう自分に言い聞かせて、引き続き大翔を待つことにした。








けれど、待っても待っても大翔らしき人物がバス停前に現れることもなく、ただ時間だけが過ぎていった。


< 11 / 24 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop