spiral
とっさの判断だったと思う
避けきれないと判断した俺は、魔物に向かって手を向けて
「‘星光’っ!!」
瞬間、俺から発せられた光が魔物を襲う
耳を塞ぎたくなるような雄叫びが聞こえた後
魔物の姿は、跡形もなく消滅していた
「ハァ…ハァ…。」
さっきまで魔物がいた場所かは目をそらして
俺は自分の手を見た
…使ってしまった、光の力
幼い頃急に芽生えた、光を操る能力
威力も使い道も何もわからないまま、俺は使うことをずっと恐れていた
けどまさか、ここまでの威力だなんて…!!
「消滅、したのか?」
俺は、魔物を1人殺したって言うのか…?
そう考えた瞬間、冷や汗が少しずつ流れる
いくら事件の犯人だからって、殺しちまったら…
「こんなの、俺も犯人と同じじゃねぇか…。」