竜王様のお気に入り
ハクリュウは意味深な笑みをヤヨイに向けて、答えた。


「大丈夫、特別な意味はないよ。
ヤヨイが焼きもち焼くような、理由じゃないから。」


ヤヨイは、目を丸くして、頬を赤らめた。


『焼きもちって!』


そんな風に思われるとは・・・。


ヤヨイは恥ずかしくなってしまい言葉を続けられずに、ハクリュウの端正な顔を見つめる。


「セイリュウ王を手にかけた瞬間から俺は、只のハクリュウではいられなくなった。
天界の“ハクリュウ王”になったんだ。
民が殺しあっている理由が分かっているのに、竜王が止めない訳にはいかないだろ?」


ヤヨイは何だか釈然としない。


焼きもちと言われようが、なんだろうが‘でも’と、いう感情が湧いてきてしまう。


「ヤヨイは思った事を、そのまま口にすればいいんだよ。
気持ちを飲み込んでまで、俺に従順にならないでよね。」


ヤヨイの表情は分かり易いらしく、ハクリュウは足を組み換えてクスッと笑った。

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