竜王様のお気に入り
ハクリュウは言葉を続ける。


「コハクはコウリュウへの愛のために、死を選んだんだ。
俺は、受け入れざるをえなかった。
今更謝る気もないが・・・。
俺もヤヨイに会って愛する気持ちを知った今、愛する者を失う悲しみは、想像できる。
コウリュウには、ずいぶん辛い想いをさせてしまったな。」


そして傍らに静かに立っていたヤヨイを、そっと引き寄せた。


「だからと言って、ヤヨイを渡す気は更々ない。
ヤヨイは俺がずっと探し求めてた、愛しい姫だからな。」


ヤヨイは恥ずかしそうに俯く。

コウリュウは、そんなヤヨイを見つめて、口ごもりながら言った。


「兄上は、その琥珀色の瞳を見て、ヤヨイにコハクを重ねたんじゃないのかよ?」


コウリュウはずっと思っていたモヤモヤした気持ちを、ハクリュウにぶつけたのだ。

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