竜王様のお気に入り
ヤヨイはまだイオリを気遣い、壁際で側に寄り添っていた。


コウリュウはそんな二人を穏やかながらも、複雑な表情で眺めている。


そしてハクリュウは、そのコウリュウをチラリと見ては、そわそわとしていた。


ハクリュウは慎重に慎重を重ね、自分の隣に居るコウリュウに、話しかけるタイミングを図っているのだ。


これがおそらく、最後のチャンスであろう。


失敗は許されない。


せっかく和やかに会話ができる機会が巡ってきたのだ。


逃す手はない。


後は、タイミングと台詞。


ハクリュウは柄にもなく、わずかながらに緊張の色を見せて、コウリュウにゆっくりと声をかけた。

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