竜王様のお気に入り
「あー・・・コホン・・・。
コウリュウ・・・。
あの話しなんだが・・・。」


わざとらしく咳払いまでして、やっと切り出したハクリュウは、若干声が上擦っていた。


「あの話?
何でしょう?」


コウリュウは、横目でチラリとハクリュウを見た。


「いや・・・あれだ、あれ・・・。
ほら、さっきのあれ・・・。」


「と、仰いますと?」


「とぼけるなよ。
ほらっ・・・さっきの・・・!
竜王やめて、人間界に下りるという話。」


「あぁ・・・あれですか・・・。
兄上、本当に本気ですか?」


シリュウまで巻き込んでおきながら、コウリュウはこの期に及んで、まだ疑いの口調で、竜王陛下に尋ねた。

< 214 / 279 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop