竜王様のお気に入り
ハクリュウは、一旦扉の前で足を止めた。


その横に、ヤヨイも従った。


ヤヨイはハクリュウの胸の辺りまでしか背丈がなく、ハクリュウがいかに背が高いのかを確認できた。


隣に立つハクリュウを、ヤヨイは改めて、まじまじと見上げる。


『こんな威厳のある、雄々しい人だったかな。
さっきと全然雰囲気が違うよ。』


ヤヨイはそう思った。


不意に、扉が中から静かに開けられた。


ハクリュウは躊躇う事なく長い衣装の裾を翻し、歩みを進める。


ヤヨイは出遅れて、慌てて後を追った。


「ヤヨイ。
ちゃんと我に、着いて参れ。」


ハクリュウは、別人のような口調で、ヤヨイにそう言った。


しかも、ヤヨイの名を呼んで。

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