竜王様のお気に入り
一呼吸おいて、しわがれた声がキッチンから聞こえる。

「ここは私の嫁ぎ先の中の村よ、ヤヨイ姉様。
西の村の実家は今はもうないの。
父様と母様が亡くなってしまわれたから、壊してしまったのよ」


「そんな・・・とても信じられない。
で・・・サツキ姉様は?」


震える声で、ヤヨイは尋ねる。

ヤヨイにとって、サツキの事は、一番気になる事だった。


「サツキ姉様は最期まで、ヤヨイ姉様の事ばかりを、心配していたわ。
一目会わせてあげたかった。
ヤヨイ姉様が無事と知って、今頃ヴァルハラで喜んでいると思うわ。」


ヴァルハラ!?


「姉様が?」


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