竜王様のお気に入り
竜王様は、あらゆる自然を司り、操れるという。


先ほどのヤヨイの空中浮遊も、竜王様が重力を操っての事だとしたら、納得できる。


きっと、容易い事のはずだ。


「ハクリュ・・・竜王様!
さっきも言いましたけど、私は・・・。」


巫女ではないと、ヤヨイは言おうとした。


ざわめく広間の中はとても居心地が悪くて、早くヤヨイはここから出て行きたかった。


それに、巫女でもない自分が、こんな所に居ていいはずがない。


恐れ多いという感情が、ヤヨイを徐々に支配していった。

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