アラサーだって夢をみる【12/23番外編追加】
マンションに着いて、エレベーターに乗って、ドアを開けるとぷう太達の吠える声。
「みんな! ただいま!!」
4匹が飛びついてきて、顔中舐めまわす。
ぎゅっと抱き締めて匂いを嗅いで、本当に帰ってこれたのだと思ったら涙が滲んだ。
母にも友樹と同じような事を言われて苦笑してしまった。
夕飯まで母が居てくれると言うので、任せて少し休むことにした。
横になって目を閉じると、ぷう太とレオが布団に潜り込んでくる。
寝息と体温と毛触りが気持ちよくて、すぐに眠ってしまった。
目覚めた時は、もう真っ暗だった。
19時近くまで寝てたなんて。
慌ててリビングにいくと友樹がテレビをみていた。
「そのまま朝まで寝ててよかったのに」
母はぷう太達にご飯をあげて帰ったらしい。
「友樹は?」
「食べたよ」
「そう、ごめんね」
「お前、顔色悪いぞ。風呂沸かしてるけどどうする?」
入って寝ると返事をして、バスルームへ行った。
鏡を久しぶりに見たような気がした。
うわ、ほんと青いっていうか白い。
具合悪そう。
でも、特に具合悪くないのになぁ?
そう思いながらバスタブに入る。
温かいお湯に浸かっていると、すーっと力が抜けてきた。
ああ、そっか。
私、ずっと緊張してたんだ。
深呼吸して、バスタブの端に頭を乗せて目を閉じる。
バスルームに響く声が聴こえる。
『沙理』
頭を振って、顔を洗って、もう一回頭を振って、バスタブを出た。