アラサーだって夢をみる
3ヶ月ぶりの羽田空港。
相変わらず人が多くて目が回る。
おまけにGW真っ只中だし。
福岡とは比べ物にならない。
三神さんは仕事が終わり次第、品川まで迎えに来てくれるそうなので、京急へ向かって歩き出した。
遠くを見ると人だらけで酔いそうなので、なるだけ見ないようにしていたら。
「沙理!」
(え……?)
聞き慣れた声で名を呼ばれて振り返った。
三神さんが駆け寄ってくる。
「よかった、間に合った」
「お仕事は……?」
「早く終わらせた」
私の手からキャリーケースを取って、1秒でも早く会いたくてさ、と三神さんは言う。
会いたかったのは私も同じだけど、まさかここで再会するとは思ってなくて、挨拶も出来ない。
そんな私を気にもせず、三神さんは私の肩に手を回して歩き出した。