アラサーだって夢をみる【12/23番外編追加】
「約束は何時?」
車に乗ると三神さんはそう聞いた。
「夕方です。18時前に現地付近で」
「じゃ、荷物置いてゆっくりしよっか」
時計を見るとまだ14時前で待ち合わせまで随分余裕があった。
三神さんが迎えにきてくれなかったら、まだ移動していただろう。
運転しながら車窓から見える観光名所を案内してくれる。
三神さんの声で聞けるなんて、夢みたいで聞き入ってしまい、内容はちっとも頭に入ってこなかった。
首都高を降りてしばらく走った後、車はマンションのパーキングに入っていった。
(???)
「着いたよ」
車を停めた三神さんはそう言った。
「あの、ここは……?」
「俺のマンションだけど?」
「ええぇ!?」
「あれ、言わなかったっけ?」
荷物を降ろして歩き出した三神さんの後を追うと、GWだからどこも多くてさ、とエレベーターにのって、高層階のボタンを押している。
てっきりどこかホテルに行くのだろうと思っていたので、私は動揺していたが本人はドアを開けて「どうぞ」と奥へ手を差し出している。
玄関を入ると長い廊下。
三神さんは歩きながら、トイレはそこで、バスルームはそこで、と案内してくれる。
モノトーンで統一された広いリビングにはソファーセットと大画面の液晶テレビ。
呆然としている私をソファーに座らせ、三神さんは対面カウンターのキッチンからコーヒー淹れるねとニコニコしている。
マグカップを二つ持ってきて隣に座った。
私には推しキャラのカップを渡してくれ、それ、沙理専用だからと笑って抱き寄せられた。
「会いたかったよ」
「ずっと、待ってた」
大好きな声で囁かれてキスをされ、一口もコーヒーを飲めないまま、カップをおいた。
車に乗ると三神さんはそう聞いた。
「夕方です。18時前に現地付近で」
「じゃ、荷物置いてゆっくりしよっか」
時計を見るとまだ14時前で待ち合わせまで随分余裕があった。
三神さんが迎えにきてくれなかったら、まだ移動していただろう。
運転しながら車窓から見える観光名所を案内してくれる。
三神さんの声で聞けるなんて、夢みたいで聞き入ってしまい、内容はちっとも頭に入ってこなかった。
首都高を降りてしばらく走った後、車はマンションのパーキングに入っていった。
(???)
「着いたよ」
車を停めた三神さんはそう言った。
「あの、ここは……?」
「俺のマンションだけど?」
「ええぇ!?」
「あれ、言わなかったっけ?」
荷物を降ろして歩き出した三神さんの後を追うと、GWだからどこも多くてさ、とエレベーターにのって、高層階のボタンを押している。
てっきりどこかホテルに行くのだろうと思っていたので、私は動揺していたが本人はドアを開けて「どうぞ」と奥へ手を差し出している。
玄関を入ると長い廊下。
三神さんは歩きながら、トイレはそこで、バスルームはそこで、と案内してくれる。
モノトーンで統一された広いリビングにはソファーセットと大画面の液晶テレビ。
呆然としている私をソファーに座らせ、三神さんは対面カウンターのキッチンからコーヒー淹れるねとニコニコしている。
マグカップを二つ持ってきて隣に座った。
私には推しキャラのカップを渡してくれ、それ、沙理専用だからと笑って抱き寄せられた。
「会いたかったよ」
「ずっと、待ってた」
大好きな声で囁かれてキスをされ、一口もコーヒーを飲めないまま、カップをおいた。