ランデヴー
そんな私の返事に、彼の瞳がゆらりと揺れた。


それは前触れ。



一瞬の後、その瞳が険しくなる。


顔全体で不快感を表すように、私を睨みつける。



あ、怒った……。


そう思った瞬間、私の手を握る彼の手に力がこもった。



「好きだったら……好きだったら何してもいいのかよ?」


怒りを押し殺したような倉橋君のその言葉に、私は驚いて目を見開いた。


と同時に、腹立たしい気持ちが沸き上がる。



それはもちろん、彼の言っていることは正しい。


正しいからこそ不愉快だということもあるが、私が言っているのはそんなことではないからだ。


何でもしていいと思っているはずがないし、そもそも彼に怒りをぶつけられる理由だって、ない。



「別にそんなこと言ってないじゃん。それに……人を好きな気持ちって、そんなに簡単に止められるものじゃないでしょう?」


心のままに反論する。
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