ランデヴー
今まで口にしなかったのは、やはり正しかったのだ。


不倫相手から奥さんについて問われることは、男の人にとって咎められているような気持ちになるのではないか。


そう思った。



奥さんがいないから私を誘ってくれてるに決まってるのに……なんて余計なことを聞いてしまったんだろう。


私は激しく後悔しながら、話を変えようと別の疑問を口にする。



「でも、どうして急にドライブなんて……」


「あぁ……だいぶ前だけど、2人で出かけたことあっただろ?」


「あ……うん」


付き合い始めて間もない頃、私と陽介は休日に2人で出かけたことがあった。


たった1度だけ。



それは迂闊にも私が「たまにはデートとかしたいなぁ」と何気なく口にしてしまったからで、陽介はその願いを叶えてくれたのだ。


恐らくその日も奥さんが不在だったのだろうが、その時の私は何も聞くことなくただ浮かれていた。
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