ランデヴー
腕まくりをしてエプロンを身に着けると、インターホンが鳴った。


やっぱり早かったな……モニターに陽介の姿を認め、そう思いながらエントランスの解錠ボタンを押す。



私が住む家は8F建てマンションの5F部分にあり、一人暮らしには十分な広さの部屋だ。


そもそも新築の分譲物件を借りているので、綺麗だしそれなりに廊下もある。


独立型のキッチンと別々のバストイレが、かなり気に入っていた。



陽介が昇って来るまでに、私は手早く鍋にお湯を沸かし、エアコンの温度を下げた。



再び鳴り響いたインターホンに、長いストレートの髪をシュシュでまとめながら玄関に向かい、鍵を開ける。


ガチャリ、と音がしたその途端。


私がドアを開けるよりも早くそのドアは開け放たれ、その隙間からするりと陽介が入ってきた。


その性急な姿に驚いた私の顔を陽介はじっと見つめたかと思うと、その後に私を乱暴に抱き寄せキスをした。



「よ、陽介?」


戸惑った私は彼の肩を押し戻す。



「どうしたの? 今食事作ってるから――」


「いや、それよりもこうしたい……」


そう言って玄関の壁に私を押しつけると、深く口づけながらシャツのボタンをもどかしげに外していく。
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