ランデヴー
人を傷付けたら、それは自分に返ってくる。


響子さんはこの件についての本心を私に告げることはなかったが、私と陽介のことに心を痛めなかった訳ではないだろう。


私がしたことは、決して容易に許されることではないのだ。



時々あの頃の自分がひょっこりと出てきて、今の私に言っている気がする。



私に幸せは、まだまだ早過ぎるのだと――。



私はもう少し、1人で色んなことを考えて生きていこう。


ゆっくりでいい。


誰にも流されず、地に足をつけて1歩1歩進んでいけるように。



「それでさぁ、彼が結婚したらすぐ子供が欲しいって言うんだよね。でも私まだまだ働きたいし、正直もう少し先でいいって思ってて……」


佐和子は早くも結婚後の悩みを抱えているようだった。



「えー、子供産むなら早い方がいいんじゃない?」


私は自分のことは棚に上げて、佐和子の話に相づちを打つ。
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