ランデヴー
「坂下さんこそ、ちゃんと食べてるんですか?」


「え?」


「俺より細いでしょ?」


「……女子なんだから当たり前じゃない?」


「いや、女子の中でも細いと思う」


「そ、そう……?」


倉橋君の目がじっと私の体の線をなぞるかのように向けられ、少し恥ずかしくなる。


特に他意はないということはわかっていても、彼の目は女子をそわそわさせるような色っぽさを孕んでいた。


「よし、探そう。時間ないし」


私はその場をごまかすようにしてBOXに手を着けた。



倉橋君はその間にもう1つの段ボールも降ろし、中を開けて探し始める。


ガサゴソとファイルを物色する音だけが響き渡る中、不意に倉橋君が口を開いた。



「坂下さんて……彼氏いるんですか?」


何の脈絡もなく突然そんなことを聞かれ、私は条件反射のようにドキッとする。


一体何をどうしたらそんな話になるのかはわからないが、どうやら私に興味を持ったらしい倉橋君に目を向けると、平然と書類を漁り続けていた。
< 47 / 447 >

この作品をシェア

pagetop