ランデヴー
そう、ただの好奇心。
それはわかっている。



私は今まで職場の人に彼氏の有無を明かしたことはない。


佐原さん辺りは冗談ぽく聞いてくることがあったが、いつもセクハラだ何だとごまかしてきたことだった。



でも、と。
一瞬考えて答える。



「いるよ」


倉橋君には、そう答えた方がいいような気がした。


何となく、だけど。
一線を引きたかったのかもしれない。



変な誤解を受けないように。


周りにも、本人にも。



そして、陽介にも。



「そう、ですか」


倉橋君は、ぽつりとそう返す。


その後特に会話もなく、私達は沈黙の中目的の書類を見つけ出してコピーをとり、BOXを元通りにした。
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