ランデヴー





倉橋君のお勧めスポットはかなり大きな公園で、駅から少し距離があるからか思ったよりも人はまばらだった。


花火からも多少遠いが、遮るものがあまりないので全景が見渡せて穴場的なポイントらしい。



どうやら無料でゴザを貸し出してくれるシステムらしく、入り口でそれを受け取り見晴らしの良い場所を陣取って腰を降ろした。



「毎年ここで見てるの?」


「いえ、去年初めてこの場所知ったんです。いいでしょう?」


「うん」


自慢げに小首を傾げる倉橋君に私は頷き、崩して座った脚の上に頬杖を突く。



こうしてぼんやりしてると、良からぬ思いばかりがポツポツと頭の中に浮かんだ。



「ところで……てるてる坊主はティッシュで作るの?」


つい暗く塞ぎ込んでしまいそうな気持ちを払拭したくて、私は再びこの話を掘り起こした。



だって倉橋君がてるてる坊主を作るなんて、ものすごく衝撃だったから。


からかうように笑う私の顔を見て、倉橋君がうんざりした顔で溜息を吐く。
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