スパルタンコード

部屋を出ると、ある人物と出会った。


その人物は、鋭利警部のことを知っているようだった。

「鋭利警部、お久しぶりです。」
「おお、伸くんじゃないか！
どうしたんだい、こんなところで。」





その伸くんと呼ばれた人物は、背が高く、黒いコートと黒いジーンズを着ていた。
顔は、前髪が目を隠していて、よく分からなかった。






鋭利警部が、その男性を紹介してくれた。
「紗英ちゃん、この人は九院 伸。
以前何度か迷宮入り寸前まで追い込まれたところを助けてくれたことがある。」
「初めまして、九院 伸です。
下の名前で呼んでくださって結構ですから。どうやらお互い、年が近いようですし。」
「私のことを知っているんですか？」
「たまに、いろいろなパーティーに出席されているところを見ていますよ。
いずれも、半ばお母様に無理やり連れてこさせられているようですが。」







驚いた。



今まで出席したパーティーに、こんな人がいたなんて。





でも、この人、一体何者なんだろう？


質問するタイミングを逃したけど、普段どこで、何をやっているんだろう？