スパルタンコード
関係者は二人だけだったので、事情聴取はこれで終わった。






しばらくすると、伸さんが人目につかないところに私を連れ出した。

「紗英さん、全てわかりましたよ。やはり私の仮説は正しかったようです。」
「そうなんですか!?
それじゃあ、鋭利警部に連絡しないと!」
「残念ですが、私は自分の口から説明はしないことにしています。
普段は鋭利警部にお話して、彼に推理ショーをやってもらいますが、今回はその役、紗英さんにやっていただこうかと思います。」





驚きと、そんな大役こなせないという思いで、声が出なかった。



「そんなに思い詰めなくても大丈夫です。
あなたが話している間、サポートにつきます。困った時は、助け舟を出しましょう。」



この言葉には不思議な魔力のようなものを感じた。


結果、私は首を縦に振った。




「了解していただけて幸いです。
では、この事件の全貌をお話しましょう。
実は……」
「………」



なるほど、と合点がいった。





その後、関係者がホテルの一室に集まった……。
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