アイムホーム
次の日、二日酔いのフミを自宅まで送り店に出た。
「・・・フミ、大丈夫?」
「大丈夫って、置いていったくせに」
カオルはふふと笑うと、そばに置いてあったコーラをぐいっと飲んだ。
「・・・7年経った今でも、時々一人で泣いてる」
カオルの言葉に、今朝見たフミの涙の跡が残る寝顔を思い出す。
7年もまだそいつのことを想ってる・・・って
どういう気持ちなんだろう・・・
俺は店の窓から、波打ち際でじゃれあうカップルを眺めた。
「お」
カオルの短い声に我に返ると、店の扉が開きショートカットの可愛らしい女の子が入ってきた。
「ごめんね、カオルさん」
カオルさん・・・?
その胸には小さな赤ん坊を抱えているのに、どう見てもその子は20代前半に見えた。
じーっと見つめていると、カオルがその赤ん坊を抱き上げて言う。