天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅥ
(こいつ…!)

ゾワリ。

龍太郎の全身が総毛立つ。

危険な思想だ。

レスクレは『同類』を探している。

より強力な同類を。

龍太郎には、その白羽の矢が立てられたのだ。

「龍太郎君、僕は早く君に覚醒して欲しい…できうる事ならば『竜』としてね…そうすれば末永く友情を育めそうな気がするのに…」

「…御免だね…文字通り悪魔に魂なんざ売る気はねぇよ」

冷たい汗を頬に伝わせながら告げる龍太郎。

「なぁに…覚醒してみれば分かる事ですよ…何なら…」

レスクレは、中庭から見える学食…その窓際に座って談笑しながら食事をとっている雛菊、小夜、アリスカの三人を見る。

「姉、愛しい人、友人が揃って目の前で不慮の事故に遭う…そんなショッキングな光景を目の当たりにしたら、弾みで覚醒したりしませんかね…?」

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